
この記事では、Googleがサードパーティークッキー廃止を延期した背景について書いています。
ファーストパーティークッキーとサードパーティークッキーの違い、サードパーティークッキーでできることについては前編の記事に書いていますので合わせてお読みいただければ幸いです。
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目次
前回のおさらい サードパーティークッキーが廃止されるとどうなる?
サードパーティークッキーが廃止されると、ユーザーがどのサイトを訪れたかという情報をサイト横断で入手できなくなるため、個人最適化された広告の表示が難しくなります。
以下、図にまとめました。
自分に関係ない、自分が興味のない広告が表示されてもクリックしないですよね。
サードパーティークッキーが廃止されるとこういうことが頻繁に起こってくる、というわけです。
サードパーティークッキーの廃止による影響と動きは?
個人情報の保護を謳っているようだし、ユーザーからしたらサードパーティークッキーの廃止はいいことのように思えましたが、実際にはさまざまな批判があるようです。
IT Mediaによれば
Cookieのブロックにより、パブリッシャーの収益が大幅に減少する。世界の500のGoogle Ad Managerサイト運営者のトラフィックの一部を分析したところ、Cookieが存在しないトラフィックは、Cookieが存在するトラフィックよりもパブリッシャーの収益が平均52%減少したという。特にニュースメディアサイトでは、平均62%減少した
とのことで、パブリッシャーへの経済的な影響は小さくないようです。
引用元:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/23/news056.html
またGoogleがサードパーティークッキーの代わり導入しようとしているFLoCについては様々な角度から批判されており主なポイントとして以下の2点が挙げられます。
- FLoCは個人情報の保護が十分に担保されていない
- FLoCによりGoogleが市場を独占しようとしている
FLoCは個人情報の保護が十分ではない、という批判
GoogleはサードパーティークッキーにかわりFLoC(Federated Learning of Cohorts)という技術を導入していくと公表しています。
FLoCの説明はGoogleの公式が最もクリアですが、長いので僕なりに要約すると、閲覧履歴をもとにブラウザがユーザーのCohort(集団、群れ)を作成し、Cohort毎に趣味嗜好に合わせて広告表示を行う、ということのようです。
3rd Party Cookieと異なる点は、個人のデータはブラウザから外に出ないということ。
Cohortはブラウザの中のアルゴリズムによって生成されるため、ユーザーのプライバシー保護につながるとして、GoogleはFLoCを推進していこうとしています。
これに対して反対派は、FLoCはブラウザにCofort IDを割り当てるため、広告のパブリッシャーが異なっていたとしてもCofort IDが横断して共有される可能性を指摘しています。
このことから、FLoCはサードパーティークッキーよりも個人のプライバシーを侵害する可能性がある、という主張です。
Googleは市場を独占しようとしているという批判
また業界内でもFLoCは批判の対象になっていて、特にオラクルは酷評しています。
オラクルは、「サードパーティークッキーを排除する一方でGoogleはファーストパーティーとして居座り、競合を排除して情報と市場を独占しようとしている」と批判しています。
これらの批判もあってか、Googleは当初22年1月としていたサードパーティークッキーの廃止期限を23年後半に延期しました。
まとめ
Cookieとなんぞやというところから、ファーストパーティークッキーとサードパーティークッキーの違い、FLoCまでまとめてみて、自分の中では整理・理解できた気がしています。
今後、Webマーケティングで重要になってくるのはサードパーティークッキーはいずれなくなるものとして、それに頼らない集客方法を考えていくことなのだと思います。
例えばアマゾンよりも自社サイトへの集客に注力してファーストパーティーデータを集め、これまで通りリタゲやリテンションマーケティングができるように準備をしたり、
趣味・関心が見えやすいSNSマーケティングにカネとヒトをいっそう投資して、見込み客へのリーチを増やす、などが打ち手になるのでしょうか。
ぜひプロの方の意見を聞いてみたいものです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!